パラナ州の州都、クリチバはブラジル南部最大の都市で、国内外で 人気の高い都市でもあります。市内を心地よくしている公園や森 林、街路樹などは人口一人当たりの緑地、51m2と国連が推奨する 数値の3倍に値します。 高原に位置するクリチバで、最も標高の高い場所は標高1,000mの ラメニャ・ペケナ地区、その他の地区は平均標高934m。そのた め、冬季はかなり冷え込み、年間平均気温は16.50Cといった国内 最低の数値になります。
この地域の植民地化は1630年の金発掘で始まりました。スペイン 人やポルトガル人の移民者に続き1833年にはドイツ人、イタリア 人、そして最後にポーランド人やウクライナ人が移民してきまし た。クリチバのポーランド人移民の数はアメリカのシカゴに続き 世界第2位となります。
クリチバの主な観光スポットは公園や博物館や劇場です。オス カー・ニーマイヤー博物館、別名、目玉の博物館は必見です。デ ザインが柱に吊り下がる目に見えることからこのような名前で呼 ばれるようになりました。他に、昔、港からクリチバまで荷馬車 隊が利用したグラジオザ街道があります。この街道は、大西洋森 林保護区群として1993年にユネスコの世界遺産に登録されまし た。グルメは、サンタ・フェリシダーデ地区が有名です。18世 紀末のイタリア移民により発展したこの地区は、現在ではレスト ランや民芸品店、ワイン醸造所が並びます。効率よく観光するに は、リーニャ・ツーリスモという2時間半で25の観光スポットを 巡る観光バスを利用すると便利です。1枚の乗車券で4回の途中 下車が可能です。

 

クリチバに着いたら
アフォンソ・ペナ国際空港の位置するサン・ジョゼ・ドス・ピニ ャイス地区からクリチバの市街地まではいろいろなアクセス方法 があります。空港専用バスや路線バスです。クリチバ市内は、各地を結ぶ便利な道路があ るのでとてもわかりやすく、大通りにはバス専用レーンが有り、 市内を回る公共交通手段の評判はよく、案内表示も観光地は勿論 一般の案内もポルトガル語と英語の2ヶ国語で表示されているの で安心です。


持ち物
クリチバは気温の変化が激しく、いつの時期でも傘と上着は持ち 歩いた方がよいでしょう。6月~7月は気温が0度まで下がること もあるので冬服が必要です。夏期は、日焼け止めや薄地の服は必 需品です。市内の公園を巡るには歩きやすい靴がお薦めです。

 

観光ルート リーニャ・ツーリスモ (Linha Turismo):

乗用車、タクシー以外 での観光をご希望の方にお薦めの交通手段です。バスは30分間隔 でチラデンテス広場から25箇所の観光スポットへ出発します。ルートは、チラデンテ ス広場、フローレス通り、24時間通り、コンベンション・センタ ー、ショッピング・エスタソン、パイオル劇場、植物園、バス・鉄 道ターミナル、グアイラ劇場、市民公園、シビックセンター、オ スカー・ニーマイヤー博物館、ヨハネ・パウロ2世公園、アレモン 公園、環境自由大学、サン・ロレンソ公園、オペラ・デ・アラメ、 タングアー公園、チンギ公園、ウクライナ記念碑、イタリア門、 サンタ・フェリシダデ地区、バリギ公園、展望タワー、旧市街 地、です。F (48) 3352-8000 H 火曜から日曜9:00~17:30

 

展望タワー (Torre Panorâmica):

高さ110mの展望台ですが、土 地の高さとあわせると1,050mになりクリチバが一望できます。タ ワー上部は携帯電話のアンテナが設置されています。T Rua Professor Lycio Grein de Castro Vellozo 191, Mercês  F (41) 3339-7613 H 火曜から日曜10:00~19:00

 

オペラ・デ・アラメ劇場(Teatro Ópera de Arame):

1992年に建 てられた収容人数1640人の劇場です。管状の鉄(針金)と全体が 透けて見える材質で覆われた建物で、周りは湖や石塀や緑に囲ま れています。隣のぺドレイラ・パウロ・レミンスキー文化スペー スは収容人数が椅子席で10,000人、立ち見で32,000人のイベント スペースです。T Rua João Gava s/n, Pilarzinho F (41) 3355-6072 H 火曜から日曜8:00~22:00 

オルデン広場 (Largo da Ordem):

歴史的建造物の多い旧市街 地にある広場です。印象的な建物は、18世紀に建てられたロマ リオ・マルチンスの家、1881年の赤い家、1900年のガリバウジ 宮、1737年に建てられたオルデン・テルセイラ・デ・サン・フランシ スコ教会と隣接する宗教美術館です。

 

博物館

オスカー・ニーマイヤー博物館 (Museu Oscar Niemeyer) :

2007年で生誕100周年を迎えた建築家オスカー・ニーマイヤー 自身のデザインです。柱に吊り下げられた目をイメージしていま す。隣の企画展示室とニーマイヤー氏の作品を紹介している展示 室とは、地下通路でつながっています。T Rua  Mal Hermes 999, Centro Cívico F (41) 3350-4400  H 火曜から日曜10:00~18:00

 

パラナエンセ博物館 (Museu Paranaense):

パラナ州の歴史を紹 介する展示室の他、企画展示もあります。T Rua  Kellers 298, Setor Histórico  F (41) 3304-3300  H 火曜から金曜9:30~17:30、土 曜と日曜11:00~15:00 

 

自然歴史博物館 (Museu de História Natural):

36km2の敷地内 には動物の剥製やドライフラワーが展示されています。パラナ松 の林をめぐる散策路には、高さ400mの吊り橋があります。T Rua  Benedito Conceição 407, Capão daImbuia  F (41) 3366-3133  H 火曜から日曜9:00~17:30 

 

ショッピング・エスタソン博物館 (Museu do Shopping Estação):

当初は商業施設として建設されましたが、現在はクリチ バの観光スポットになりました。敷地内の鉄道博物館ではブラジ ルの鉄道の歴史を紹介し、エスパッソ・ペルフーメでは、パネル でアロマエッセンスや香水の歴史を紹介しています。エスタソ ン・ナツレーザではブラジルの動植物を展示しています。T Av. 7 de Setembro 2775, Rebouças F (41) 2101-8278 H 火曜から日曜 12:30~20:30  

 

自動車博物館 (Museu do Automóvel):

1974年にF1レーサー・エ メルソン・フィッチパウジのF1マシンが展示されています。他、昔 の馬車や自動車も展示しています。T Av. Cândido Hartmann 2300, Parque Barigui,SantoInácio F (41) 3335-1440 H 火曜から金曜 14:00~17:30、土曜と日曜10:00~12:00 / 14:00~18:00 $

 

遠征軍博物館 (Museu do Expedicionário):第2次世界大戦中、 ブラジル空軍の武器や道具類を展示しています。T Rua  Ubaldino do Amaral com Praça do Expedicionário, Alto da XV F (41) 32643931 H 火曜から金曜10:00~12:00 / 13:00~17:00、土曜と日曜 13:00~17:00 

 

公園

タングア公園 (Parque Tanguá):

総面積450km2の公園で、長さ 45mのトンネルが2つの石切り場をつないでいます。他、ジョギン グコース、サイクリングコース、展望台、喫茶室、ポチ・ラザロッ ト庭園があります。T Rua  Dr. Bemben s/n, Pilarzinho F (41) 33527607 

 

植物園 (Jardim Botânico):

1991年オープン。フランス庭園を模 した造りです。鉄とガラスでできた温室では、ブラジルの生態 系を紹介し、2階を歩くと木の葉や枝の部分と同じ高さを歩けま す。植物博物館には図書室と講堂があり、フランス・クラジクベ ルグ文化スペースでは、この彫刻家の作品を常時展示していま す。T Rua  Ostoja Roguski s/n, Jardim Botânico F (41) 3264-6994  H 毎日6:00~20:00 

 

バリグイ公園 (Parque Barigui):

総面積1,400km2のクリチバ最大 の公園です。遊園地の他、湖、庭園、ジョギングコース、サイク リングコースがあります。T Av. Cândido Hartmann s/n, Santo Inácio F (41) 3335-2112

 

チングイ公園 (Parque Tingui):

ウクライナからの移民を記念し、 ウクライナ記念碑と木造の東方正教会が建てられました。T Av. Fredolin Wolf s/n, Pilarzinho F (41) 3240-1103

 

ドイツ公園 (Bosque Alemão):

1996年にオープンしたこの公園 はブラジルに移民したドイツ人を記念して作られました。総面積 38km2の敷地内には1933年に建てられた木造教会を模した教会と コンサート用の部屋があります。「ジョアンとマリアの道」は、グ リム童話のおとぎ話(邦題ヘンゼルとグレーテル)をパネルで紹介 する散策路です。他、児童図書館や哲学者の塔があります。T Rua  Francisco Schaffer com Rua  Nicolo Paganini, Jardim Schaffer, Pilarzinho F (41) 3338-6012 H 毎日6:00~20:00 

 

環境自由大学 (Universidade Livre do Meio Ambiente):

ザニネリ 公園の敷地内にあり、環境やエコロジーについて勉強できます。 自然の材料を使った建物は、塗装の色で4つの自然の要素(地、 火、水、空気)を表わしています。T Rua  Victor Benato 210, Pilarzinho  F (41) 3254-5548  H 毎日8:00~18:00

 

ヨハネ・パウロ2世公園 (Bosque Papa João Paulo II):

1980年 12月13日に開園したこの公園は、ヨハネ・パウロ2世法王がその 年の7月にクリチバを訪問したことを記念して造られました。総 面積46.337m2で、敷地内には木造の7つの家が建ちポーランド人 の移民を記念しています。T Av. Mateus Leme com Rua  Wellington Oliveira Vianna, Centro Cívico F (41) 3313-7194 H 毎日6:00~20:00

 

ツアー

パラナグアへ鉄道ツアー:セーハ・ド・マール(海岸山脈)の森林 の中を走り、すばらしい風景を楽しめる鉄道ツアーです。全長 150km、30箇所の橋と14箇所のトンネルがあり、1885年にパラ ナグア港に農作物を運ぶための貨物列車として建設されました が、現在は貨物列車以外に観光列車も運行しています。通常の列 車はエグゼクティブクラス、観光クラス、エコノミークラスの3 クラスに分かれています。他には、リ トリナという列車があり、こちらは1両編成で車内で は2ヶ国語対応のガイドが案内をします。途中のモヘチスで下車 してコロニアル風の建物を見学するのも面白いでしょう。帰りは 同じ列車で戻れますが夜は外が暗く景色は見えませんのであま りお薦めできません。他、1時間20分毎に出発するバスを利用することもできます。鉄道の旅を含むパッケー ジツアーもあります。列車は毎日8時 にバス鉄道ターミナルから出発します。リトリナは週末と祭日の 9時に出発します。詳細はセーハ・ヴェルデ・エクスプレス(Serra Verde Express)まで U www.serraverdeexpress.com.br F (41) 3323-4007   

 

マルンビ州立公園のトレッキング:山の頂上へとむかう少々厳し いトレッキングコースがあります。オリンポ山(1,543m)までは 往復7時間から20時間かかります。山小屋はありますが、食事の 設備はありません。アクセスはクリチバから鉄道を利用するか、 車で81km(最後の4kmは舗装されていませんので、4輪駆動車か 徒歩になります)。詳細は公園案内所で。F (41) 3432-2072 H 月曜、木曜と日曜8:00~18:00

グラシオザ街道ツアー

グラシオザ街道は、現在はPR—410州道と呼ばれます。1873年頃 クリチバをモヘチスとアントニーナ、さらに海岸へとつなぐ唯一 の街道でした。全長30kmでセーハ・ド・マールを通り抜けていき ます。途中、車を止めて大西洋森林の景色を楽しむ展望台があ り、洗面所やシュハスコ・スペースもあります。ヴィスタ・ラセル ダ、リオ・カスカッタ、グロッタ・フンダ、ベラ・ヴィスタ、ク ルヴァ・ダ・フェハドゥラ、マンエ・カチラとサン・ジョアン・ ダ・グラシオザの7箇所です。

 

メウ島ツアー

クリチバから100kmのパラナ州沿岸の島。アクセスは、クリチバ からグラシオザ社(F (41) 3223-0873)のバスを利用し所要時間 は1時間ですポンタウ・ド・スールで下車し、 船で更に30分進みます船は島内のエンカンタド ス(Encantados)とノヴァ・ブラジルア(Nova Brasília)に停泊しま す。これらの村には人気のバーやレストランが集中し、ナイトラ イフが賑やかです。夜の散策を希望する場合は懐中電灯が必要で す。車で行く場合はポンタウ・ド・スールの駐車場を利用すると よいでしょう。
日中はビーチで遊んだり、のんびりするだけでも十分に楽しめ ます。島内は車が走っていない為、観光スポットは歩いて巡りま す。徒歩観光が苦手な方は、ヴォアデイラと呼ばれる高速ボート のクルーズをお薦めします。1872年に造られたコンシャス灯台 (Farol das Conchas)は現在もパラナグア湾を運行する船の道し るべとなっています。一方、1770年建設の聖母プラゼレス要塞 は現在は観光スポットとなり、18世紀と19世紀の大砲が残され ている展望台からはスペラギ島やぺサス島が見えます。メウ島に は8箇所のビーチがあり全長35kmの全てのビーチを8時間で巡る ツアーもあります。