ブ ラジルの歴史は、1500年にポルトガル人により発見されたのがバ イア州から始まりました。ペドロ・アウヴァレス・カブラウ率い るポルトガル船がインド航路の途中、バイア南部ポルト・セグロ のカイー川沿いに到着し、その後サルバドールがブラジル最初の 首都となりました。
バイア沿岸は国内最長の932kmあり、砂浜は長く短く、断崖、 岩場、ヤシの木等の誰をも満足させる景色が続いています。南に 位置するポルト・セグロ市は歴史的建造物やビーチレジャー施設 が多数揃い、北側のフォルテ・ビーチの村ではウミガメ保護を目 的としたタマール・プロジェクトが推進されています。そして、 サルバドールから113kmの所にあるコスタ・ド・サウイぺ・ホテ ル・コンプレックスには、5か所のリゾートホテルと6か所のポウ ザーダ(簡易宿舎)のほか、マリンスポーツや乗馬、テニスコー ト等もあります。
州都サルバドールには、多くの魅力あふれる観光スポットが点在 しています。旧市街地にはペロウリーニョなど歴史的建造物が建ち並び、トドス・オス・サントス湾からはイタパリカ島や数々の島 を巡る船が出ています。メルカード・モデロには民芸品店やレスト ランが揃い、上町へ行くラセルダ・エレベーターの乗り場はそのす ぐそばです。そして、バイアの人々は宗教を大切にすることで有名 です。人口の殆どが黒人とその混血が占める、カンドンブレーのよ うなアフリカ文化が現在でも大切に守られています。


サルバドールへのアクセス
空路は、ルイス・エドアルド・マガリャアエンス空港に到着しま す。この空港は、利用旅客数は国内第6位の空港です。毎日ブラジ ルの主な都市から80便以上離発着している他、国際線が32本、13 ヵ国18都市へ運航しています。空港からは市内へはタクシーで。マイクロバスも運航していま す(次ページ時刻表をご参照下さい)。陸路でサルバドールへ向か う場合、国道BR-324をフェイラ・デ・サンタナ方面へ進むか、南 北にのびる国道BR-116も利用できます。国道BR-242は国道BR-116 同様に中西部方面へ進みます。海岸沿いでは、北方面の州道BA099、または南方面からは州道BA-001です。


持ち物 サルバドールは1年を通し気温は高く、平均260Cです。薄地の服や 帽子、サングラス、日焼け止めと歩きやすい靴をご用意ください。

 

サルバドールの歩きかた

北海岸(Litoral Norte)、南海岸(Litoral Sul)、上町(Cidade Alta) と下町(Cidade Baixa)に分かれている旧市街地(Centro Histórico)、州のほぼ中央にはディアマンチナ高原があります。


旧市街地 (Centro Histórico)

サルバドール市で最も古く、コロニアル風の建物が集中していま す。世界遺産にも登録されたペロウリーニョ(Pelourinho)はこ こにあります。アクセスは、セー広場(Praça da Sé)行きのバス が便利です。車で行く場合も標識に従って進めば分かり易いです が、道路が狭く駐車場が少ないのでなるべく避けたほうが良いで しょう。


シダーデ・バイシャ (下町Cidade Baixa)

トドス・オス・サントス湾に面したシダーデ・バイシャは、コン トルノ通りやラセルダ・エレベーターなどを利用して行けます。 モデロ市場や、モーホ・デ・サンパウロ島やイタパリカ島行きの 遊覧船が出港しています。

 

北海岸 (Roteiro Litoral Norte) フォルテ・ビーチ (Praia do Forte): サルバドールから90kmのマ タ・デ・サン・ジョン地区にあるビーチです。小さな漁村が今で はバイアの北海岸地域の中心的な観光スポットとなりました。電 線は地下へ、高さ10m以上の建物は制限する等、景観保護にも努 めています。ここは1980年からタマール・プロジェクトのベース となり、ウミガメの保護に力を入れています。ビジターセンター では育成タンク、孵卵器、環境保護に関する展示物やウミガメの 他、多数の魚類が見られます。T Av. Antônio Carlos Magalhães, s/n  F (71) 3676-1045 / 1281 

 

コスタ・ド・サウイーぺ (Costa do Sauípe):

同じくマタ・デ・サ ン・ジョン地区にあり、サルバドールから113km。リゾートホ テルや簡易宿泊施設が揃う総合宿泊施設のほか、ゴルフ場、テニ スコートなどのスポーツ施設、バーやレストラン、ショッピング ゾーン等があり、宿泊客以外でも利用可能です。商業施設のヴィ ラ・ノヴァ・ダ・プライアとビーチを利用するには入場料が必要です。レジャー施設と食事代は各施設で支払いま す。詳細は F 0800-704-3210まで。

 

南海岸 (Roteiro Litoral Sul)

モーホ・デ・サンパウロ島 (Morro de São Paulo): サルバドール から船で2時間。各ビーチの名前は、島の中心地である村から の距離により一番近いビーチはプリメイラ・プライア(Primeira Praia=第1ビーチ)、お祭りやルーアウ(海辺の宴会)が催され るセグンダ・プライア(Segunda Praia=第2ビーチ)、テルセイ ラ・プライア(Terceira Praia=第3ビーチ)、クアルタ・プライア (Quarta Praia=第4ビーチ)、最後はキンタ・プライア(Quinta Praia=第5ビーチ)となります。島内は車が無いので徒歩か船で の観光になります。

イタカレ (Itacaré):

サーフィンのメッカ。険しい沿岸や断崖、ヤシ の木や広い砂浜に囲まれる等、様々な特徴を持つビーチが続いて います。

 

ポルト・セグロ(Porto Seguro):

国内観光客が最も多く訪れる一年 中賑やかな所です。日中はアシェー・ショーを見せるビーチサイ ドの屋台、夜は民芸品やお酒を販売するパサレーラ・ド・アルコ ール(Passarela do Álcool)やルアウ(ショー)を催すナイトク ラブに、人々があふれています。静かにのんびりと過ごしたい 人は、近隣のアハイアウ・ダジューダ(Arraial d’Ajuda)、トラ ンコゾ(Trancoso)、エスぺーリョ(Espelho)やカライーヴァ (Caraíva)がお勧めです。

 

ディアマンチナ高原ルート (Roteiro Chapada Diamantina)

ブラジルエコツーリズムの中心的スポットです。ディアマンチナ 高原国立公園(Parque Nacional da Chapada Diamantina)周辺の 町々は小さいながら歴史的魅力があふれています。公園内のトレ ッキングのスタート地点でもあります。洞窟、渓谷、透明な湖、 高さ380mもあるフマッサ滝などの巨大な滝を見ることができま す。サルバドールから395kmのレンソイス市からはツアーも多数 あり、バーやレストラン、ホテルなど宿泊施設も揃っています。 ここからは、ヴァレ・ド・カポン(Vale do Capão レンソイスか ら86km)、アンダライ(Andaraí レンソイスから100km)、ム クゲ(Mucugê レンソイスから135km)、イガトゥ(Igatu レンソ イスから113km)、イビコアラ(Ibicoara レンソイスから200km) 等、周辺の町へも移動できます。各町のガイド協会では、ガイド 手配業務をしています。


サルバドールからレンソイスまでは毎日バスが運行し、出発は 7時半と23時半で、所要時間は6時間。サル バドールからツアーを手配している旅行会社もあります。1日 から4日間のトレッキング・ツアーがある。(詳細は、Tatu na Trilha F (75) 3344-1055、Terra Chapada  F (75) 3334-1428 、Venturas & Aventuras  F (75) 3334-1030) 観光に適した時期は、雨の少ない2月から10月です。夏は降水量 が多いため、12月には滝の水量が増加しています。トレッキング には、飲料水、薄地の服、歩きやすい靴、防水加工の上着、懐中 電灯と救急セットを持っていると便利でしょう。

 

サルバドールの観光 (Roteiros em Salvador)

ピラールの斜面 (Plano Inclinado Pilar): ラセルダ・エレベーター同 様、上町と下町を結ぶ2006年にリニューアルされたばかりの路 面電車が走っています。ヂレイタ・デ・サント・アントニオ通り (Rua Direita de Santo Antônio)からメルカド・デ・オウロ(Mercado do Ouro)迄。H 7:00~19:00

 

ラセルダ・エレベーター (Elevador Lacerda):

市の中心部にある上 町と下町を結ぶ高さ72mを30秒で結ぶエレベーター。資材をイ ギリスから取り寄せ、1873年に建造されました。4つのエレベー ターにはエアコンも付いています。 Praça Tomé de Sousa s/n, Cidade Alta

 

ディケ・ド・トロロ (Dique do Tororó):

カンドンブレー信者の聖地 となる場所です。広場には、画家タチ・モレノ作の8人のオリシ ャー(orixá=神)像が並んでいます。オグン(Ogum)は鉄と戦 争の神、オショーシ(Oxóssi)は森と狩りの神、シャンゴ(Xangô)は雷と稲妻の神、オシャラー(Oxalá)は全てのオリシャー の父、イエマンジャー(Iemanjá)は海の女神でオリシャーの 母、オシュン(Oxum)は川や湖の女神、ナナン(Nanã)はオリ シャーの中で最年長の神、イアンサン(Iansã)は戦争や嵐の女 神と伝えられています。T Av. Vasco da Gama s/n, Tororó

 

ミゼリコルヂアの門 (Portal da Misericórdia): 1

697年建造で最近改 装されました。現在は宗教関連の展示物や当時の家具を展示し ています。フランス人写真家ピエール・ヴェルジェルの写真を 展示するピエール・ヴェルジェル財団もここにあります。T Rua  da Misericórdia 6  F (71) 3322-7355 H 月曜と、水曜から土曜 10:00~17:00、日曜13:00~17:00  

 

ソラール・ド・ウニオン (Solar do Unhão):

17世紀の建築と推測さ れます。敷地内にはコロニアル風の邸宅の他、礼拝堂と納屋があ ります。 邸宅は近代美術館となりヂ・カヴァウカンチ、ポルチナ リ、ブレナンド、タルシラ・ド・アマラウ等ブラジルを代表する 画家の作品が展示されています。月曜から土曜の20時半からは民 族舞踊ショーが見られます。($ 一人US$22.00)カリベーやマリ オ・クラヴォ・ジュニアなどの作品を展示する彫刻広場は火曜か ら日曜の9時から19時迄。T Av. Contorno s/n, Cidade Baixa  F (71) 3117-6130  H 火曜から日曜9:00~19:00 

要塞 (Forte)

 

サント・アントニオ・ダ・バーハ要塞 (Forte de Santo Antônio da Barra): サルバドールのシンボルとなっているこの要塞は、1696年 から1702年の間に建てられました。内部は灯台とバイア海洋博物 館(Museu Náutico da Bahia)があります。T Av. Oceânica s/n, Barra  F (71) 3264-3296  H 火曜から日曜8:30~19:00 

 

サン・マルセロ要塞(Forte de São Marcelo):

トドス・オス・サン トス湾内にある円形の要塞です。1650年から1812年の間、外国 からの侵略から守るために建てられました。内部の展示物にはパ ネルやデジタル表示の説明が付けられています。メルカード・モ デロ近くのセントロ・ナウチコから船が出ています($ US$5.50 要塞への入場料込み)。H 火曜から日曜9:00~18:00 F (71) 33215286

 

モンテ・セハット要塞(Forte de Monte Serrat):

サン・フェリペ 要塞とも呼ばれています。1583年から1742年の間に建てられま したが、何度も改築されてきました。T Rua  Sta. Rita Durão s/n, Ponta de Humaitá  F (71) 3313-7339  H 毎日9:00~17:00


博物館 (Museu)

カルロス・コスタ・ピント博物館 (Carlos Costa Pinto)

カルロス・コ スタ・ピント氏コレクションの18世紀から19世紀の銀製品、家 具、絵画、中国の陶器、宝飾品などの展示物はブラジル国内で最 も美しいと評されています。T Av. 7 de Setembro 2490, Vitória F (71) 3336-6081 H 月曜と、水曜から土曜14:30~19:00 

 

宗教美術館 (Museu de Arte Sacra): 修道院内にある、国内最大の収 蔵品を誇る宗教美術館です。T Rua  do Sodré 276, Cidade Alta F (71) 3243-6310  H 月曜から金曜11:30~17:30 

 

バイア美術館 (Museu de Arte da Bahia): 17世紀から19世紀ま での宗教画を展示しています。T Av. 7 de Setembro 2340, Vitória F(71) 3117-6903 H火曜から金曜14:00~19:00、土曜と日曜 14:30~18:30 

 

アベラルド・ロドリゲス美術館(別名:ソラール・ド・フェホン) (Abelardo Rodrigues ou Solar do Ferrão):

800点以上の宗教画を収蔵 しています。T Rua  Gregório de Matos 45, Centro Histórico F (71) 3117-6381  H 火曜から土曜13:00~18:00 

 

エンリケッタ・カタリノ博物館 (Henriqueta Catharino):

家具、衣 類、宗教画、版画や民芸品を展示しています。T Rua Monsenhor Flaviano 2, com Rua  Politeama de Cima, s/n, Politeama  F (71) 3329-5522 H火曜から金曜10:00~12:00、13:00~18:00、土曜 14:00~19:00

 

カザ・デ・ジョルジェ・アマード財団 (Fundação Casa de Jorge Amado):

バイア出身の小説家ジョルジェ・アマードに関する写 真、作品、資料のほか、妻ゼリア・ガタイへのラブレターも展示 されています。お土産店もあります。T Largo do Pelourinho 51, Pelourinho  F (71) 3321-0122  H 月曜から土曜9:00~18:00 

 

アフロ・ブラジル博物館 (Afro-Brasileiro):

オリシャーの宗教儀式に 関連する博物館です。カリベーの絵画も展示しています。 T Terreiro de Jesus, Pelourinho  F (71) 3321-2013  H 月曜から金曜 9:00~18:00、土曜と日曜10:00~17:00 

 

教会

サン・フランシスコ修道院 (Convento de São Francisco):

1708年完成 の、祭壇や壁、天井などに 約800Kgの金を使用した素晴らしい教 会です。中庭にはポルトガル製タイルで描かれたパネルが展示さ れています。T Largo do Cruzeiro de São Francisco, Centro Histórico, Pelourinho  F (71) 3322-6430 H 月曜から土曜8:00~17:30、日曜 7:00~17:00  

 

大聖堂 (Catedral Basílica):

1657年から1672年の間に建てられた教 会で、バロック様式とネオクラシック様式を取り入れた祭壇があ ります。T Terreiro de Jesus s/nº, Centro Histórico  F (71) 3321-4573 H月曜から土曜8:00~11:30 / 14:00~17:30、日曜11:00~12:00

 

オルデン・テルセイラ・デ・サン・フランシスコ (Ordem Terceira de São Francisco):

1703年建築のこの教会は、正門を砂岩で造った 唯一の教会です。宗教博物館と16世紀のポルトガル製タイルで囲 まれた部屋があります。T Rua  Inácio Acciole s/nº, Centro Histórico F (71) 3321-6968  H 月曜から金曜8:00~17:00  

 

サン・ベント修道院 (Mosteiro de São Bento): サルバドールで最初 に造られた建物の一つで1581年に建てられました。宗教博物館に はアゴスチニョ神父の像や金銀細工、聖具などが展示されていま す。T Largo de São Bento s/nº, Cidade Alta  F (71) 2106-5200 H 月曜から金曜8:30~11:30、13:00~16:30

 

聖母コンセイソン・ダ・プライア教会 (N. S. da Conceição da Praia):

ポルトガルから資材を運び、1765年に建てられました。1772年 のジョゼ・ジョアキン・ダ・ロシャ作の絵画が天井を飾っていま す。T Largo da Conceição da Praia s/nº, Cidade Baixa  F (71) 32420545 

 

聖母ロザリオ・ドス・プレットス教会 (N. S. do Rosário dos Pretos):

1704年から1796に奴隷により建てられた教会です。現在もミサ にはアフリカの歌や太鼓が使われています。T Largo do Pelourinho s/nº. Pelourinho  F (71) 3241-5781

 

ボンフィン教会 (Senhor do Bonfim):

1745年から1772年に建築さ れ、バイアの守護神として崇められています。毎年、1月6日以 降の第2木曜日にはラヴァージェン・ド・ボンフィン(Lavagem do Bonfim)が正面の階段で催されます。T Largo do Bonfim s/nº F (71) 3316-2196